「ー経絡治療ー切経診」を共同出版

当院院長の鈴木と東洋はり医学会の仲間達の共同執筆で「経絡治療切経診」を「たにぐち書店」から出版しました。

「切経」とは経絡の流れにそって皮膚表面を手で撫で触る古来からの「手当」の原初的な診察法です。

切経をここまで全面的に研究した出版物としてはこれまでなかったと自負しております。

画像、イラスト入りで出来るだけ解りやすく解説していますので興味のある方はご購読下さい。

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―目次―

切経ってすごい!
経絡は瞬時にこの位変わってしまう

は経絡を変化させる
切経診で何が出来るか
実際に切経診をしてみよう
資料1 脉状によって経絡の触り方を変える
資料2 切診(脉診・腹診・切経診)の順番
資料3 経絡の左右を虚実で表さない訳
本当に経絡を触っているの?
わかりやすい場所
経絡診をこのように使い治療しました
資料4 経絡班収集の「模擬患者の皮膚所見」の記録
皮膚に五行理論が現れる
資料5 切経による証決定と適応側による確認法
資料6 切経診に関わる古人・大家の発言
切経診から考える「左右どちらから鍼する?」
切経の研究を続けて来て

切経班研究年表 2008年から2015年

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ー切経診を使った治療例(忘れられない治療より)ー

3月初旬に顔面神経麻痺の女性患者が来院しました。精神的なショックと体調不良が原因と思われます。娘さんが「顔面麻痺には鍼灸が効く」との情報を得てお母さんに鍼灸を薦めたそうです。

患者は口を閉じるのも困難そうで右顔面がこわばり表情が固まったようになっています。触ると右顔面から首にかけて硬く硬直しておりました。

そして右腕の肘から下の部分の皮膚下にボコボコとした粒状のものが触れます。これこそ顔面神経麻痺と関連する所見だったのです。

「ここに顔面麻痺を起した邪気があるよ。ここから邪気を取れば治るよ。」というサインなのです。

身体の調整をする本治法の最後に右腕部分の3つの経絡のボコボコの所見に鍼を入れ寫法の手技で邪気を取った瞬間に顔のこわばりが取れて右腕の所見も取れました。完治するまで数回の治療が必要でしたが、初期にこのような治療をしたために短期間で麻痺が取れ、後遺症も残らずにすみました。

6月になってから患者が「腕に硬いものが出てきた。顔を触ると麻痺の前兆のように思える」と言って来院しました。確かに右顔面に小さなコワバリが出来かかっていました。疲れがたまって体調を崩していたそうです。ただちに前と同じ治療をして麻痺になる前に治す事が出来ました。

私たち経絡治療家は症状の出ている部分だけでなく手足などの経絡を触りながら的確な治療点を見つけ出す事ができます。これを切経診と言います。患者さんに切経診を教えていたので、患者さん自身が自己診察して麻痺の兆しを発見して良い結果になりました。                2012年6月13日