★女性特有の浮腫み(ムクミ)

女性には月経前症候群に伴う浮腫みがあり普通は月経開始と共に改善します。しかし重度の患者は月経が終わって数日後まで浮腫みがひきません。また妊婦を苦しめる浮腫みもあります。

月経周期や妊娠とは無関係に下肢を中心とした全身性の浮腫があり「突発性浮腫」と言います。突発性浮腫は女性が圧倒的に多く、女性特有の症状となっています。

長時間同じ姿勢で働く女性で仕事が終わる頃には「足がパンパン」に張って苦しむ方が多くおります。

仕事が終わってから来院する女性の足が浮腫んでいるのは「長時間の座り仕事で下半身に水分が溜まるから」だけではありません。近年のパソコン業務は昔の事務仕事より心身ともに疲労させ、それが働く女性の浮腫みになって現れているのではないか、と思われます。

更に、「非正規」「契約社員」といった不安定な雇用形態が契約更新期のストレスとなり月経症候群を悪化させている例も見られます。昼夜逆転した仕事をしている女性の心身の負担も月経症候群をひどくさせています。浮腫みもそのひとつです。

西洋医学では利尿剤を使って浮腫みの治療をします。利尿剤とは腎臓で塩分と水分の再吸収を抑え尿量を増やし浮腫みを解消させるものです。利尿剤による副作用は種々あり慎重に使うようにとされています。

経絡治療は西洋医学の対症療法と違い体全体のバランスの崩れを調整して浮腫みの元をなくしていきます。

経絡治療では「浮腫みは腎と脾の関係で発症する」とされ治療は腎と脾のバランスを調整する事が主になります。

腎は水、脾は土です。腎をコントロールして水が溜まらないようにし、脾をコントロールして水はけのの良い土にします。

浮腫みの原因の背景には「疲労」「ストレス」があります。疲労やストレスが全身の「気の流れ」を弱くさせ腎や脾の働きを弱めるのです。

経絡治療で疲労やストレスを溜めない体質に改善していきましょう。

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 ★冷え

冷えも女性に多い症状です。女性は妊娠して子供を生むので余計に冷えに対して敏感であるのかもしれません。同じ部屋にいても男と女ではクーラーの適温が異なり夫婦で喧嘩する例も多々あります。

肩こり、腰痛、月経痛、などで来院する患者さんの足は多く冷えています。冷えが生理痛を増悪させていきます。冷えを取ることで女性の愁訴のほとんどは解消されるという説もあるほどです。

西洋医学的には冷えを引き起こす要因のひとつは自律神経の交感神経の緊張だと言われています。交感神経が緊張すると血管の拡張や収縮がうまくいかなくなり血液循環が悪くなり体が冷えてきます。手足の先などにいく末梢血管は細くなるのでより冷えていきます。

冷えに弱い女性にとって夏場のクーラーは冬の寒さ以上に体に応えます。働く女性は様々なストレスで自律神経が乱されて血流が悪くなり内部から冷え、更に外側から冷やされるのですから影響も大きいわけです。特にこれから子供を産む予定の女性の冷えは深刻な問題です。

西洋医学では冷えに対しては血管拡張作用を生じさせるための自律神経調節剤などを使っています。我々経絡治療家は「証」に随って鍼をすると自覚的にも他覚的にも温感が出てくるのを日々の臨床で経験しています。

体が温かくなると下腹部痛や肩こりも一緒に改善していきます。

すでに冷え症になって久しい女性患者の場合、すぐに治癒させることは難しいのですが継続こそ力です。

「そういえば最近、以前のように冷えが気にならなくなった」とか「夜寝るとき足が冷えなくなった」とか少しずつ身体が変化してきた事を患者さんから告げられています。

「靴下を履く」」「身体を冷やさない」「規則正しい生活をする」等、生活習慣の改善と共に経絡治療で冷え性そのものを改善していきましょう。         トップページに戻る

★片頭痛

片頭痛は、子どものうちは男の子に多いが、生理の始まる思春期のころから逆に女性が多くなります。ただ、片頭痛は一生続くというわけではありません。

閉経を迎えるころにはぐっと減り、だいたい60歳を過ぎると片頭痛が起こらなくなる人が多いようです。女性の片頭痛の6割は何らかの形で月経周期と関係があり、1割以上は、生理のときに起こりやすいと言われています。

生理中だけでなく生理前にひどく頭が痛い、とか生理が終わったあとに痛む女性もおります。コメカミから側頭部にかけてズキズキ傷む、頭全体が痛む、頭の前部が痛む、と様々ですが仕事に集中出来ない深刻な痛みを訴えて来院する女性が多くいます。

「いつから痛み出したのか?」と訊ねると「会社に勤め出してから」と答えます。学生のころはなかった頭痛が仕事をしてから発症したというのです。

経絡治療では頭痛は「肝経」の病症が多いとされ実際の臨床の場でも頭痛の患者は「肝虚証」あるいは「肝実」が多いです。(あなたはどのタイプ?を参照下さい)

肝虚というのは肝経の生命力が弱った状態、肝実というのは肝経に「邪気」が入った状態です。

「邪気」とは寒さ暑さなど外部から来るものと怒りや悲しみやストレスなど内部から来るものがあります。頭痛の患者の場合肝実が多いのはストレスにさらされながらストレスに対する抵抗力が弱いという構造があるようです。

肝虚の場合は弱った肝経の生命力を強化し、肝実の場合は肝の邪気を取り去りますと、若く健康な女性の場合、数回の経絡治療で頭痛がなくなる例がかなりあります。

数年来の頭痛で薬に頼っていたが「もう薬の依存はイヤだ」と考える女性が鍼灸院を探して来院します。頭痛が取れるだけでなく身体全体が元気になる、と喜ばれています。

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